4DAS

▶兵庫県版認知症チェックシート









▶ 評価尺度の著作権や使用可否について
それぞれの評価尺度の著作権や使用可否についての概略はだいたい以下のように考えられます。
実施の使用にあたっては、使用条件など、各自の責任で再度ご確認いただきますようお願い申し上げます。


◆認知機能評価尺度の著作権・使用可否

❖MMSE(Mini-Mental State Examination) 著作権あり
© PAR, Inc.(米国) 商用・臨床使用にライセンスが必要。無料での非商用使用も制限あり。MMSE-2として改訂された。日本語版も含めて厳格。

❖MoCA(Montreal Cognitive Assessment) 著作権あり・無料使用可
※教育・臨床目的に限る 登録(無料)要。医療者は公式サイトから申請して使用可能。営利目的や改変には制限あり。日本語版も公式にあり。

❖HDS-R(改訂長谷川式簡易知能評価スケール) 著作権あり・使用制限なし(臨床・研究目的で) 長谷川和夫医師が開発。研究・診療において自由使用可能とされているが、出典明記が望ましい。商用化には別途確認を推奨。

❖ADAS-cog(Alzheimer’s Disease Assessment Scale-Cognitive Subscale) 著作権あり
© ワシントン大学(WUSTL) 臨床試験・研究使用には申請が必要。改変や翻訳にも許可が必要。日本語版は東北大学などが作成・管理している例あり。


◆生活機能評価尺度の著作権・使用可否

❖Barthel Index(バーセル指数) 著作権フリー(出典明記推奨) 世界的に広く使用。多くの日本語版もあり、自由に利用可能。

❖Lawton IADL(Lawton Instrumental Activities of Daily Living) 著作権フリー(出典明記推奨) 公共利用可能。出典を記載すれば臨床・研究・教育で利用可能。

❖Functional Independence Measure(FIM) 著作権あり
© Uniform Data System for Medical Rehabilitation (UDSMR) 使用にはライセンス契約が必要。医療施設向けに有償提供。

❖Katz ADL 自由利用可能(原著明記) 公共財的に使われている。研究・臨床使用で自由に用いられる。


◆ポイントまとめ
❖MMSE・ADAS-cog・FIMは特に商用利用に制限あり(ライセンス要)。
❖MoCAは無料登録制で使用可(医療者限定)。
❖HDS-R・Lawton・Barthelは比較的自由に使用可(ただし出典明記を推奨)。


▶ 生活機能障害の評価尺度について
生活障害の評価尺度です。参考にしてください。

❖Barthel Index(BI)
日常生活動作の評価。100点満点。

  重症度判定基準(Barthel Indexの例)

     軽度~正常   80~100点  日常生活ほぼ自立
     中等度障害   40~ 79点  部分的介助が必要
     重度障害      0~ 39点  日常生活全面的介助

      カットオフ点数:79/80点  


❖LawtonのIADL尺度(手段的日常生活動作評価)

   買い物、調理、金銭管理、服薬管理等。8点満点。

    軽度(ほぼ自立):6~8点
    中等度(部分介助必要):3~5点
    重度(ほぼ全面的支援が必要):0~2点

     カットオフ点数:5/6点


それぞれの評価尺度については、著作権や使用の可否についてご注意ください。

▶ 認知機能障害の評価尺度について
一般的に使用されている認知機能検査の評価の基準について参考にしてください。

  実臨床での認知機能の重症度評価には、標準化されたスケールを中心に多面的な評価を行います。

❖HDS-R(長谷川式簡易知能評価スケール)
30点満点の標準化尺度。

  評価の基準
   21〜30点 正常範囲(~軽度障害)
   20点以下 認知症の可能性あり(公式カットオフ)
   10〜20点 中等度障害 MCI(軽度認知障害)〜初期〜中期認知症の可能性
    0〜 9点 高度障害 明らかな認知症状態が疑われる

    厚労省や学会による一般的な扱い
     カットオフ点数:20/21点
       → 20点以下は認知症の可能性あり、精密検査が必要となる。


❖MMSE(Mini-Mental State Examination)
30点満点の標準化尺度。

  評価の基準
   軽度障害~正常 19点~30点
   中等度障害    10点~18点
   重度障害     9点以下

     カットオフ点数:18/19点

❖HDSRとMMSEの換算の目安

HDS-R     MMSE換算の目安
30        約29-30
25        約24-25
20        約19-20(カットオフ同等)
15        約13-14
10以下      10以下



❖MoCA(Montreal Cognitive Assessment)
30点満点でより軽度認知障害(MCI)を捉えるのに有効。

評価の基準
正常(軽度)           26点以上
軽度認知障害~軽度認知症疑い  18~25点
中等度以上の認知症疑い     17点以下

カットオフ点数:17/18点



それぞれの評価尺度については、著作権や使用の可否についてご注意ください。


▶ 4DASの評価尺度


4DASの評価尺度には、認知機能評価尺度と生活機能評価尺度を使用します。

4DASでは、まず評価を通してA~Hの8タイプに分類します。

 Aタイプ 認知機能 軽度障害     生活機能 軽度障害
 Bタイプ 認知機能 軽度障害     生活機能 中等度以上障害
 Cタイプ 認知機能 中等度以上障害  生活機能 軽度障害
 Dタイプ 認知機能 中等度以上障害  生活機能 中等度以上障害

身体機能の評価は「安定した、実用的な独歩の可否」で分けるとわかりやすいと思います。
TUGやMMTなどの基準を使用して正確に分けることができればそれを使用します。

身体機能障害を伴う場合は、以下のタイプ分類になります。

 Eタイプ 認知機能 軽度障害     生活機能 軽度障害     (身体機能障害を伴うAタイプ)
 Fタイプ 認知機能 軽度障害     生活機能 中等度以上障害  (身体機能障害を伴うBタイプ)
 Gタイプ 認知機能 中等度以上障害  生活機能 軽度障害     (身体機能障害を伴うCタイプ)
 Hタイプ 認知機能 中等度以上障害  生活機能 中等度以上障害  (身体機能障害を伴うDタイプ)


認知機能評価尺度も生活機能評価尺度も、タイプ分類する際に使用する軽度障害と中等度以上障害を分ける点数(カットオフ点数)は使用する評価尺度によっては、それぞれで決められている点数を使用することになります。


▶ 兵庫県4DAS研修の受託団体の変遷


兵庫県4DAS研修の受託団体の変遷

2016年度(平成28年度)~2018年度(平成30年度)
この期間、兵庫県4DAS研修は、兵庫県西播磨県民局と兵庫県西播磨認知症疾患医療センターによって開発・実施されました。

2019年度(令和元年度)~2020年度(令和2年度)
この期間、研修は一般社団法人日本認知症4DAS学会が兵庫県からの委託を受けて実施していました。

2021年度(令和3年度)~2023年度(令和5年度)
この期間、研修は一般社団法人4DAS協会が兵庫県からの委託を受けて実施していました。

2024年度(令和6年度)~現在
2024年度からは、一般社団法人iコミュニティデザインラボが兵庫県からの委託を受けて研修を実施しています。

このように、兵庫県4DAS研修の委託団体は、2016年度から兵庫県西播磨県民局と兵庫県西播磨認知症疾患医療センターにより開始され、2019年度からは一般社団法人日本認知症4DAS学会、2021年度からは一般社団法人4DAS協会、2024年度からは一般社団法人iコミュニティデザインラボが委託を受けて実施しています。




▶ 兵庫県4DAS(認知症機能訓練システム)研修の企画・運営

現在、兵庫県の「4DAS(認知症機能訓練システム)」研修は、一般社団法人iコミュニティデザインラボが兵庫県からの委託を受けて実施しています。この団体の講師陣は、2019年の日本認知症4DAS学会の立ち上げの頃より4DAS研修に関わっており、豊富な知識と経験を有しています。2024年度からは、兵庫県より研修委託され運営しています。

研修に関するお問い合わせ先

団体名:一般社団法人iコミュニティデザインラボ

担当者:林谷

電話番号:078-926-1026

FAX番号:078-926-1026

メールアドレス:i.co.de.lab.2024@gmail.com

公式サイト:https://4das-ilab.or.jp/

研修の詳細や申し込み方法については、上記の連絡先または公式サイトをご確認ください。



▶ 4DASと兵庫県4DAS


◆4DAS:Four-Dimensional Assessment Assist System

  ❖4DAS(Four-Dimensional Assessment Assist System)は、認知症ケアの質を向上させるために開発された多次元評価支援システムです。

  ❖4DASの特徴

   4DASは、認知症の方の状態を以下の4つの次元(Dimensions)から評価することで、適切なケア計画を策定する仕組みになっています。

  1. 認知機能(Cognitive Function): 記憶力、判断力、理解力などの認知的能力を評価。
  2. 生活機能(Daily Living Function): 日常生活動作(ADL)やIADLの自立度を評価。
  3. 身体機能(Physical Function): 運動機能、感覚機能、身体的健康状態を評価。
  4. 時間経過(Time Perspective): 認知症の進行度や症状の変化を長期的に評価。

  ❖4DASの8つのタイプ分類と支援への転換

   4DASは評価と支援を一体的に提供するシステムです。

   4DASを通じて新たな認知症ケアの理論体系化をすすめ、今後「理論認知症介護学(仮称)」として構築していきたいと考えています。


◆兵庫県4DAS

  兵庫県4DAS:Four-Dimensional Assessment System

兵庫県4DASは、兵庫県西播磨認知症疾患医療センターと兵庫県西播磨県民局とが開発した、認知症高齢者の機能訓練プログラムです。4DASの理論を地域の認知症ケアに適用した先進的な実践モデルです。県内の認知症ケアの質を向上させるために独自の認知症機能訓練システムを構築し、研修を実施しています。

評価の4つの側面

1. 身体機能:筋力や柔軟性などの身体的能力
2. 認知機能:記憶力や判断力などの認知的能力
3. 生活機能(ADL/IADL):日常生活動作や手段的日常生活動作の能力
4. 認知症の行動・心理症状(BPSD):行動障害や精神・心理症状

4DASを活用したケアの推進

兵庫県では、4DASを活用したケアを推進するため、以下の段階的な研修を実施しています。
・基礎研修:4DASの基礎的な知識を習得
・実践研修:各事業所での4DAS活用の課題と解決策を検討
・リーダー研修:事業所内での4DAS推進のためのスキル習得
・指導者研修:研修講師としての基礎を学ぶ