栄養療法

  • 2025.05.08

最近では、薬による治療ではなく、体にやさしい治療法を希望される方も増えています。
いわゆる「栄養療法」を希望される方も少なくありません。

栄養療法とは、ビタミンやミネラル、鉄分、ホルモンバランスなど、体内の栄養状態を整えることで、体と心の調子をサポートする療法です。

ビタミン、鉄、亜鉛、ホルモン(甲状腺など)の血液検査を行い、その結果をもとに、必要に応じてサプリメントなどで栄養を補います。相談しながら、ひとりひとりに合わせた方法を考えていきます。

正確には「分子整合栄養療法(Orthomolecular Nutrition Therapy)」と呼ばれます。これは「分子整合医学(Orthomolecular Medicine)」と呼ばれる医学的アプローチの一種です。

【分子整合栄養療法とは】
体の機能を正常に保つために必要なビタミン・ミネラル・アミノ酸・脂肪酸などの“分子”を、最適な量とバランスで体内に整えることで、病気の予防・治療を目指す療法です。

◆ 特徴
症状を薬で抑えるのではなく、細胞レベルでの原因にアプローチし、個別最適化していきます。
そのために血液検査や栄養解析を行い、一人ひとりに合った栄養補充を行います。
一般の栄養所要量より多めのビタミン・ミネラル投与が使われることもあり(医師の指導下)、
自然治癒力を重視し、体が本来持つ治る力を引き出すことを目的とする治療法です。

◆ 対象となる症状・状態
慢性疲労、うつ、不安感、発達障害、学習障害(LD・ADHDなど)、ホルモンバランスの乱れ(PMS、更年期など)、自律神経失調、アレルギー疾患、皮膚トラブル、認知症・神経変性疾患の予防、進行抑制などが対象となります。

◆ よくある検査項目
血液中の鉄、フェリチン、亜鉛、銅、マグネシウム、カルシウム、ビタミンB群、葉酸、ホモシステイン、甲状腺ホルモン等を検査します。

◆ 注意点
保険適用外の自由診療が多く、費用がかかります。
栄養素の過剰摂取リスクがあるため、医師や専門家の指導のもとで行う必要があります。
科学的エビデンスは増えてはいるものの、評価が分かれている分野もあり、保険適応になっていない治療が多いのが現実です。

◆ 用語の違い
分子整合医学(Orthomolecular Medicine) 医学全体における概念。栄養・代謝を整えることが治療と予防につながるという考え方。
分子整合栄養療法(Orthomolecular Nutrition Therapy) 特に栄養素補充に焦点をあてた治療法のこと。

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