認知症予防の栄養療法・生活習慣

  • 2025.05.09

認知症予防のための分子整合栄養療法

◆ 分子整合栄養療法の基本方針

認知症予防における分子整合栄養療法は、神経細胞の損傷や炎症、代謝異常を未然に防ぎ、脳機能を維持・強化することを目的とします。

神経細胞の保護、炎症・酸化ストレスの抑制、神経伝達物質の維持、代謝の最適化が中心です。

◆ 特に重要な栄養素と働き

・ビタミンB群:ホモシステイン代謝に関与、神経保護に重要

・ビタミンD:神経炎症の抑制、免疫調整

・DHA/EPA(オメガ3脂肪酸):神経細胞の膜構造を維持し抗炎症作用

・鉄・亜鉛:神経伝達物質の合成とミトコンドリア機能に関与

・ビタミンE・C:抗酸化作用により脳細胞を保護

・ホスファチジルセリン:記憶力・認知機能の維持

◆ 血液検査で確認すべき項目

・ホモシステイン:高値は脳萎縮や認知症リスク上昇

・ビタミンB6・B12・葉酸:ホモシステイン代謝に必須

・フェリチン(貯蔵鉄):ドーパミン合成とミトコンドリア活性に関与

・亜鉛・銅:酵素活性や抗酸化システムに関与

・ビタミンD:炎症と免疫調整に重要

・hs-CRP、IL-6:慢性炎症マーカー

◆ 食事とサプリメントによる戦略

・魚・野菜・オリーブオイル中心の地中海式食事スタイルを推奨

・白砂糖やトランス脂肪酸を控える

・食物繊維や発酵食品で腸内環境を整える

・サプリ例:ビタミンB群、DHA/EPA、ビタミンD、ホスファチジルセリン、抗酸化物質(アスタキサンチンなど)

◆ 相乗効果を高める生活習慣

・毎日の軽い有酸素運動(例:30分ウォーキング)

・良質な睡眠の確保(7〜8時間)

・マインドフルネスや深呼吸などのストレスマネジメント

・人との交流や趣味など、脳への刺激を日常に取り入れる

◆ この療法が向いている方

・家族に認知症の方がいる、またはMCI(軽度認知障害)と診断された

・記憶力や集中力の低下を自覚している

・薬以外の自然なアプローチを取り入れたい

・検査で栄養不足が判明している

◆ まとめ

認知症は“脳の栄養失調”から始まるとも言われます。

分子整合栄養療法は、脳を内側から守る医療として予防の段階からの実践が効果的です。

医師や専門家の指導のもと、定期的な検査と食事・栄養・生活の見直しで、健やかな脳を保ちましょう。

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